PERRO DISTRIBUTION ASIA

戻る
戻る
♪♪now playing : The Sky Is No Limit/Paul Kantner PERRO♪♪

What's PERRO





1970年に"PAUL KANTNER JEFFERSON STARSHIP"の『Blows Against The Empire』が発表された時
初めて「STARSHIP」の名が登場した。理想を追求する仲間達で宇宙船を建造して脱出し、新しい世界を作ろう
という、ベトナム戦争の失政/帝国主義など権力に対する痛烈なメッセージが込められたコンセプトである。
しかしそれ以前‘60年代前半にDavid Crosby、David Freibergと共同生活をしながら音楽活動に熱中していた
頃から既にPaulはSF的音楽構想を持っていたようだ。Fred Neilをヒーローとする根っからのフォーキーで、
その後時代を象徴するグループで活動するに至った彼はまた、少年時代から熱烈なSF小説ファンでもあった。
このユニークなバックボーンによって、彼の表現スタイルが作られて行ったと言えるだろう。

この「STARSHIP」コンセプトの原型が曲の中で明確に表現されたのは、『Volunteers』に収められ今でも演奏
されている1969年の名曲、「Wooden Ships」(JEFFERSON AIRPLANE『Volunteers』1969年)だ。
JEFFERSON AIRPLANE絶頂期において、やはりPaulは自分自身の表現・主張を模索し始めていたのだった。
その後、PaulはDavid Crosby、Jerry Garciaなどカリフォルニアの仲間達による伝説のスタジオ・セッションに
加わる。参加メンバー達は自らこれを『PLANET EARTH ROCK AND ROLL ORCHESTRA (PERRO)』と
呼ぶようになった。ここから第一弾としてリリースされたのが、「STARSHIP」コンセプトが具現化された作品である
『Blows Against The Empire』。プロジェクトとしての『JEFFERSON STARSHIP』デビューという形になったが、
「PERROセッション」としての初オフィシャル作品でもある。つまり、「PERRO」「STARSHIP」はPaulにとっては
双子のような存在になったのである。そして1970年代に人気グループとなった『JEFFERSON STARSHIP』の形態
とは別にPaulの分身としての「STARSHIP」はその後もコンセプトとして存在し続けて行くことになる。

その後この「PERROセッション」からは、Paul & Grace Slick/David Crosby/ Graham Nash/
Paul, Grace & David Freibergなど、ソロ名義・プロジェクト名義の傑作が生まれて行く。
大勢の仲間達が自由に出入りして繰り広げられた活動は、『PERRO』であり、各自の『ソロ活動』の場でもあり、
Paulにとってはさらに 『STARSHIP』のコンセプトを練り上げていく場だったと言える。
この活動は’73年のJEFFERSON AIRPLANE解散まで平行して続き、その翌年、Paul, Grace & David Freiberg
を中心に新しいバンドを作る事になった時、改めてパーマネント・バンドとしての『JEFFERSON STARSHIP』を
名乗ることになった。(一般的に知られている説明と違いこのように実際の経緯はやや複雑。)
 
成長する’70年代ロック・ビジネスの流れを掴んで瞬く間に人気バンドの座を奪還することに成功した彼らだったが、
数多くのヒット曲のはざまには『Blows Against The Empire』の続編とも言えるPaulの世界観も散りばめられている。
その後、音楽マーケットの激変〜MTV全盛の荒波でバンドが失速して行った1983年、彼は13年目にして
初めて『PLANET EARTH ROCK AND ROLLORCHESTRA』を自ら名乗るセカンド・ソロを発表した。

最後にはバンド名使用権をめぐる裁判騒動だけが有名になってしまった感があるが、彼自身はペースを乱す事なく、
『KBC BAND 』『HOT TUNA with Paul Kantner』『JEFFERSON AIRPLANE再編』『Paul Kanter’s WOODENSHIP』
『Paul Kantner & FEMALE SINGERS PROJECT』『JEFFERSON STARSHIP‐THE NEXT GENERATION』
と精力的な活動を続けて来た。そこでは、『Blows Against The Empire』からのマテリアルも取り上げられ
この世界を表現し続けることはPaulのライフワークとなった。『PLANET EARTH ROCK AND ROLL ORCHESTRA 』
と同名のSF小説も20数年の時を経て書き上げられている。

近年、Marty Balinも加わるレギュラーの『JEFFERSON STARSHIP』と平行して『Paul Kantner &FRIENDS』
『JEFFERSON STARSHIP−ACOUSTIC EXPLORER』『JEFFERSON STARSHIP−SHUTTLECRAFT』
等と名乗る、もうひとつの『JEFFERSON STARSHIP』とも言うべきPaulのソロ・セット的ショウも盛んに行われている。
それは『Blows Against The Empire』のDNAを受け継ぐプロジェクト的活動への回帰とも言えるだろう。
そして、2008年9月にJEFFERSON SATRSHIPとして発表されたスタジオ新作はいかにもPaulらしいタイトルが
付けられ、やはり彼のリーダーシップの元に編成されたプロジェクトの形態で制作されている。

 JEFFERSON AIRPLANEが活躍し『PERRO』『STARSHIP』が生まれた時代、ベトナム戦争の泥沼の中で高らかに
唄い上げられた彼らの主張は、その後暫くの間は過去のものになったように見えた。しかし、
 時が流れてふたたび混沌としている世界を見渡す時、Paul達が変わることなく発信するメッセージは
またにわかにリアリティを帯びてきているようにも感じる。


《ページTOPへ》

bettergeneration@xf6.so-net.ne.jp


戻る
戻る


Copyright (C) 2005- PERRO DISTRIBUTION ASIA All Rights Reserved.